三大栄養素と肥満

三大栄養素

三大栄養素
  • 糖質
  • 脂質
  • タンパク質
人が動くエネルギー

私たちが普段口にしている食事には、
一般的に三大栄養素(糖質、脂質、タンパク質)が含まれています。

これらは体を動かすエネルギー源になる栄養素群で、
「エネルギー産生栄養素」とも呼ばれます。

栄養素としての「脂質」は肉や油・乳製品などの食品に、「糖質」はパンやお米、じゃがいもなどの食品に含まれており、日常的に多く口にしている主なエネルギー源です。また、エネルギー源として消費されなかった「脂質」や「糖質」は体内で中性脂肪となって蓄積されていきます。

世界的な肥満者の増加

世界の8人に1人は肥満

2024年3月のWHOの発表によると、2022年時点で世界の8人に1人はBMI指数が30以上の肥満を抱えています。

脂質の過剰な摂取、運動不足などによって肥満になると、心臓疾患やがん、糖尿病などの深刻な病気を引き起こすリスクを高めます。
健康的な食事や、適度な運動と睡眠などによって肥満化を防いでいくことが重要です。

出典:WHO. “Obesity and overweight”

脂質を摂りすぎると
以下の病気の原因に

  • 肥満症
  • 心臓疾患
  • 糖尿病

息にアセトン!?

私たちの息にはアセトンが含まれている

体内の中性脂肪の特徴として、エネルギー源となる過程でアセトンを排出するというものがあります。

体内に蓄えられた中性脂肪は脂肪酸に分解されます。その後エネルギー源となるケトン体(アセト酢酸やβヒドロキシ酪酸)へと変換されます。
そのケトン体をエネルギーとして利用する際に排出されるのがアセトンです。
その他のケトン体(アセト酢酸やβヒドロキシ酪酸)は血流を介して体内に運ばれ、エネルギー源として利用されます。

アセトンはケトン体の一種ですが、常温常圧で蒸発しやすい性質のためにエネルギーとはならず、ほとんどが呼気から排出されてしまいます。

その性質を利用し、呼気中に含まれるアセトン濃度測ることで、脂質中性脂肪がどれほど消費されたかを見える化することができます。

TGS1820について

TGS1820は、アセトンに高感度な熱線型の半導体式のガスセンサです。 このセンサはアセトンに対して高感度であると同時にエタノールや水素に対しては低感度であることから、呼気中のアセトン検知の用途等に期待されています。

また小型・省電力*1のため、ポータブルデバイスに組み込みやすい製品となっています。

※ブリッジ回路についての詳細はTGS1820の製品情報よりご確認ください。

TGS1820のいろいろな活用方法

01脂肪燃焼状況のモニタリング

エネルギーは安静時も消費されており、その間も多少のアセトンは呼気から排出されます。

中性脂肪の燃焼量が多いほど、呼気中のアセトン濃度が増加します。

そのため、アセトンセンサを内蔵したアセトンチェッカーによって中性脂肪の燃焼状況を間接的にチェックすることで、食事管理を行うことが容易になります。

また、運動によって中性脂肪燃焼が更に行われます。それに伴い呼気中のアセトンの濃度は増加します。特に低強度の運動(ウォーキング等)を長時間かけて行う場合は、中性脂肪が燃焼されやすくなります。

アセトンセンサを利用して、中性脂肪の燃焼状況を見える化することで、運動継続意欲を高める効果が期待できます。

02糖質制限ダイエットの効果
モニタリング

糖質制限食の効果モニタリングとしての健康管理にもアセトンセンサは役立ちます。エネルギー源には糖質と脂質が同時に利用されますが、運動の強度によって利用される比率が変化します。
例えば、短い時間に大きな力を発揮する短距離走のような強い運動時には糖質が主なエネルギー源となります。

糖質制限ダイエットは、糖質の接種を制限することにより筋肉が脂肪をエネルギー源に利用する能力が高まるため、体重や体脂肪を減量させる手法の一つとして用いられることがあります。

ケトンダイエットと呼ばれる厳格な糖質制限食も近年注目されています。糖質制限中には脂肪燃焼が活発になることにより、呼気中にアセトンが顕著に含まれる様になります。糖質制限ダイエットの場合は図のように呼気中のアセトン濃度が高くなります。

アセトンセンサを内蔵したアセトンチェッカーによって呼気中のアセトン濃度を測定すれば、糖質制限食中の体調管理や、効果測定としての活用も期待されます。

運動前後での呼気中アセトン濃度の
変化イメージ

03糖尿病患者の
血糖値モニタリング

糖尿病患者の簡易的な血糖値モニタリング用としてもアセトンセンサが役立つ可能性があります。

糖尿病とは、 IDFの報告によると2021年時点で世界中の成人のうち、約10人に1人が罹患している病気であり、その数は年々増加傾向にあります。一度糖尿病に罹患すると場合によっては根治が難しいのですが、患者自身でこまめに血糖値を測定し変動を把握・管理する血糖自己測定 (SMBG : Self-Monitoring of Blood Glucose)を行う事で以下のリスクを減らすことが可能です。

参考:IDF (International Diabetes Federation) Diabetes Atlas, ” IDF Atlas 10th edition​”

  • 慢性的に高血糖の状態が続けば足の切断や、人工透析が必要になることがあります。
  • 糖尿病患者がインスリン分泌不足の状態に気づけなければ、糖尿病ケトアシドーシスという合併症が起こる可能性が高まり、最悪の場合は昏睡状態になるなど生命の危険に晒されます。
  • 血糖値を下げる薬を服用する場合は低血糖に陥る可能性もあります。
    低血糖が重症化すると認知症、脳梗塞、昏睡、心筋梗塞のリスクがあり、非常に危険です。

血糖値測定を行うための機器には、穿刺具で指先を刺して採取した血液で血糖値を測定する血糖自己測定器(SMBG : Self Monitoring of Blood Glucose)と、針のついたセンサーを体に取り付けることで、常時血糖を記録できる持続血糖測定(CGM : Continuous Glucose Monitoring)と呼ばれるものがあります。血糖自己測定器のデメリットとしては、測定の度に針を刺すことによる痛みや使用済み針の処理の手間などが主に挙げられます。

血糖自己測定器による血糖値測定を、アセトンセンサを使用したアセトン検知器による呼気分析で代替できる可能性があります。

従来の血糖値モニタリング(イメージ図)

血糖値と呼気から排出されるアセトンの濃度には相関があると言われています。
アセトンセンサを内蔵した呼気中アセトン検出器で測定したアセトンの濃度から、血液採取をせず血糖値を簡易測定ができるようになれば痛みや後処理の手間等の軽減に繋がる、と期待されています。

各種ガスセンサに関する
お問合せはこちら

フィガロ技研株式会社
受付時間;月〜金 9:30〜17:30
(祝日および当社休日を除く)
お問い合わせフォーム