電気化学式ガスセンサ/ガスセンサのリーディングカンパニーフィガロ技研

ガスセンサとは ~ガスセンサの検知原理~

動画でわかる!ガスセンサ

ガスセンサとは、目に見えないガスの存在を調べることができるセンシングデバイスです。家庭の都市ガス・プロパンガス警報器をはじめとして、エアコンや空気清浄機、自動車等に広く使われています。
その中で、当社が得意とする3つのガス検知の原理を解説いたします。

  • 半導体式
  • 接触燃焼式
  • 電気化学式

センサ素子構成と電極反応式

センサは貴金属触媒による検知極、対極及びイオン伝導体で構成されています。 COなどの検知対象ガスが存在すると検知極では触媒上で空気中の水蒸気と(1)式で示される反応が発生します。

CO + H2O → CO2+ 2H+ + 2e- …(1)

検知極と対極を電気的に接続(ショート)しますと、検知極で発生したプロトン(H+)はイオン伝導体を介して、同時に発生した電子(e-)は外部の電線(リード)を介して、それぞれ対極に到達し、対極上で空気中の酸素との間で(2)式で示される反応が発生します。

(1/2)O2 + 2H+ + 2e- → H2O …(2)

つまりこのセンサは反応式(1)(2)からなる(3)式で示す全電池反応で構成された、ガスを活物質とする電池と見なすことができます。

CO + (1/2)O2 → CO2 …(3)

ガスセンサとして使う場合は、検知極と対極を電気的に接続し、その短絡電流を測定します。

CO濃度検知原理式

外部回路を流れる短絡電流とガス濃度の関係はセンサに適切な拡散制御(ガス流入量をコントロール)することによって(4)式で示される比例関係にあります(右図)。

I = F × (A/σ) × D × C × n …(4)

ここで I:短絡電流、F:ファラデー定数、A:拡散孔面積、σ:拡散層長さ、D:ガス拡散係数、C:ガス濃度、n:反応電子数

特長

反応式(1)で示される酸化電位は、酸化電極電位の基準(2H+ + 2e- ⇔ H2)より低い値を示す(卑の電位を持つ)ため、この反応は外部からの電圧、温度他のエネルギーを消費することなく選択的に進行しますので、他の検知方式に比較して干渉性、再現性、省電力性に優れています。

ご使用にあたってのお願いと注意事項

  • ご使用の際は必ず当社の製品技術資料等により、製品の仕様と使用条件の確認を行ってください。
  • 回路上で他の電子部品にショート、オープンなどの不具合が発生した場合、ガスセンサに定格を超える電圧、電流、温度などがかからないような設計にご留意ください。
  • ガスセンサの故障により、他の部品に影響を及ぼし、直接あるいは間接的にガスセンサを使用する機器の誤動作、発煙、発火その他の不安定状態を生じるなど、機器の安全性を損なう事の無い設計にご留意ください。
  • 必要に応じて保護回路等のフェールセーフ機能などの安全対策を講じていただきますようにお願いいたします。

ご使用上の安全に関する注意事項

使用電圧について
定格を超える電圧がガスセンサに印加されると、断線、あるいは断線や物理的な損傷が無かった場合でも特性に影響を受けることがあります。過電圧を経験したガスセンサは使用しないでください。
使用温度について
定格温度を超える高温下でガスセンサを使用しないでください。定格温度を超える高温環境では電極膜が劣化し、センサの特性に影響を受ける場合があります。
使用環境について
  • アルカリ金属によりガスセンサが汚染されると、ガスセンサの特性に著しい影響を与える場合がありますので、特に塩水噴霧などは避けてください。
  • アンモニアなど塩基性の高濃度ガスに暴露されると、ガスセンサの特性に影響を受ける場合がありますので避けてください。
  • シリコン接着剤やシリコンを含む整髪料、シリコンゴム、シリコンパテなどが使われる可能性のある場所ではガスセンサの使用や保管を避けてください。シリコンを含む製品から発生するシリコン蒸気によりセンサ内部のガス流入経路に目詰まりを起こす場合があります。
  • ガスセンサ内部や表面に激しい結露が長期間続くと、ガス流入経路の目詰まりや感ガス膜の劣化の原因となる場合があります。通常の室内環境において生じる軽度の結露がガスセンサに重大な影響を与えることはありません。
  • 硫化水素や硫酸系ガスに暴露されると、内部のガス拡散膜やキャップ、あるいは本体が腐食し、ガスセンサが損傷する場合があります。
  • アルコール類やアセトン、揮発性オイルなどから発生する有機系蒸気にガスセンサが曝されると、有機蒸気が感ガス部に吸着してセンサ特性が一時的に変化する場合があります。
  • 極度の粉塵やオイルミストに曝されると、ガスセンサ内部で目詰まりが起きる場合があります。そのような使用環境が想定される場合には、ガスセンサの上に外部フィルタの装着をお奨めします。
  • 低温環境において急激に凍結した場合には、ガスセンサ内部で水漏れが発生しガスセンサの特性に影響を与える場合があります。特にキャップ部が下に向いた状態で機器が設置された場合には、このような問題が起き易くなります。
取扱いについて
  • ガスセンサを水中に浸したり、ガスセンサに水をかけたりしないでください。特性に影響を与える場合があります。
  • 強い振動や衝撃を与えるとガスセンサ内部で断線あるいは短絡などが起こる場合があります。
  • ガスセンサを分解したり、本体やキャップ部を変形させたりしないで下さい。
保管方法について
密封袋のような密閉度の高い容器内にガスセンサを入れて保管した場合、周囲温度の変化によってはガスセンサ内部に結露が生じる場合があります。
応用機器設計時の注意事項
零度以下の低温になるとタンク内の水が凍結する可能性があります。通常の凍結ではセンサ特性に影響はありませんが、水が凍結すると体積が増えるためガスセンサ本体が変形する場合があります。ガスセンサが凍結により変形した場合でも周囲に配置された他の電子部品や回路パターンなどに接触しないような機器の設計にご留意ください。
実装時の注意事項
  • はんだ槽を使用してガスセンサを回路基板にはんだ付けすると、高濃度のフラックス蒸気がガスセンサの特性に影響を与えることがあるため、手はんだをお奨めします。はんだ槽の使用をご検討の場合は、量産前の試組みなどによりセンサ特性への影響を事前にご確認ください。
  • 耐湿性・耐ガス性の向上を目的に樹脂コートを使用される場合は、樹脂に含まれる化学成分溶剤により特性劣化を起こすことがあります。
  • 半導体式
  • 接触燃焼式
  • 電気化学式