フィガロ技研の歩み/ガスセンサのリーディングカンパニーフィガロ技研

フィガロの歩み

創業者の田口尚義氏

兵庫県長田高校を卒業後、大阪工業大学へ進学し、開発者としての道を歩み始めた。

創業期

フィガロ技研の創業
それは一人の熱い思いから始まる。

1962年、フィガロ技研の創業者である田口尚義は、山中湖でのプロパンガス爆発を報じる新聞記事を読み「ガス漏れ警報器」の必要性を痛感した。そこでガス検知センサ開発の研究を急がねばならないと心に誓い、ガスを検知する機能性材料を見つけるために実験を繰り返して、酸化スズ(SnO2)に辿り着く。ここまで事故から2年の歳月が流れていた。

その後、1968年5月に濃度の低い可燃性ガスや還元性気体をシンプルな回路で検出できる半導体素子を世界に先駆けて発明。研究仲間が集まって商品化と事業化が行われるとともに、TGS(Taguchi Gas Sensor)としてガス漏れ警報器に内蔵され、日本から海外まで多くの家庭や工場で設置されることになる。

量産化され、爆発的に普及した「TGS109」。TGSはTAGUCHI GAS SENSORより命名。

そして1969年に、フィガロ技研株式会社と命名して発足することになる。この社名は音楽ファンであった田口が、ロッシーニの歌劇「セビリアの理髪師」の主人公「何でも屋のフィガロ」のようにバイタリティーとチャレンジ精神をもって何にでも挑戦しようという思いが込められている。翌年には豊中市に研究所兼工場を建設、ガスセンサの開発と生産が軌道に乗りはじめた。同年にはガス警報器のメーカーが集まり「ガス漏れ警報器連絡協議会」が設立。翌年の1970年には、この協議会によって警報器の有効期限が3年と定められた。

成長期

社会的なニーズとともに成長した時代。

1970年代前半には、フィガロ技研設立初期の有力なメンバーが揃い、開発力はもちろんのこと製造力やメンテナンス力も培い、先進企業としての土台を築いている。その頃にはマスコミから「ベンチャーの雄」として取り上げられ、学生の応募倍率が100倍を越えるなど人気企業として認識されるようになった。地下街での警報器の誤報問題なども浮上したが、当社の開発力によりセンサ素子に化合物を入れることや、フィルターの改良などにより誤報への対策をいち早く確立。ガスセンサのトップ企業としての信頼感をより深めていったのである。


箕面繊維団地に移った本社ビル
(写真は現在)

1980年には将来の海外展開を見据えて、今日のFIGARO USA(北米子会社)の基礎となる北米事務所を開設(1983年FIGARO USA Incに改組)。世界展開への拠点として機能することになる。また同年には、電気化学および工業物理学を基礎とする技術開発企業に与えられる「電気化学会棚橋賞」を受賞。名実ともに製品開発力と技術力を有する企業であることが証明されたのである。そして翌年には、現在の本社・工場がある箕面繊維団地のビルを購入。社会的なニーズに対応するための設備と環境を手に入れ、世界トップレベルの量産体制の構築に着手する運びとなる。

発展期

企業基盤の構築、そして世界への飛躍。

「日本化学会技術賞」を受賞にて田口、千葉、五百蔵夫妻と高畠氏

1986年には、「日本化学会技術賞」を受賞し、研究開発のためのモチベーションも向上するなど、技術・開発の両面から企業力を強化する体制が整ったのである。さらにこの年には、化学品・エレクトロニクス製品を取り扱うトクヤマと資本提携を行いトクヤマグループとなるが、ベンチャー企業としての進歩的かつ主体的な経営と、フィガロ技研特有の諸制度である敢闘・創造賞、リフレッシュ休暇、フレックスタイム制などの独自性が保たれた提携であった。

アメリカ全土に普及したCOガスセンサ「TGS203」

ISO9001を認証取得

1991年、中国での事業展開が開始され、当時では珍しい日中合弁会社となる「天津費加羅電子有限公司」を設立。日本メーカーの中国進出が少ない時代に、当社は積極的に中国市場に進出、中国は今後のガスセンサ生産と販売市場という二つの大きな可能性を持ち、アジア展開の拠点になると考えた。一方アメリカでは、1994年にCO(一酸化炭素)警報器の設置が義務づけられ、当社のTGS203の出荷が急増。北米事務所を構えてから14年を経て、海外での本格的な事業展開が開花することになった。同時に、COセンサの実績を得た。

1997年、当社では国際評価基準のISO9001を取得。製品生産における品質管理体制が強化されることになった。

競争期

競争の時代、事業環境の変化に先駆けて対応。

フィガロ技研が独自に応用した厚膜印刷技術によって生産したセンサ素子

1990年代に半導体式ガスセンサでも画期的な生産方式が確立される。それが厚膜印刷の技術を応用したセンサ素子の生産方式で、量産化と品質向上という二つの課題を克服。生産能力の大幅な向上はもちろん、小型化や省電力化といったニーズにも対応している。

2000年を過ぎた頃から、ガスセンサ市場には他社の新規参入や中国などの海外メーカーが台頭。競争が激しくなるとともに、センサ価格の低下圧力が高まってくる。こうした状況の中、当社では早くから研究開発を進めていたセンサ技術の多様化を図り、他社が追随できないノウハウと付加価値を持つ製品の生産に活路を見いだす。

2001年には、ガス検知機能が安定的な電気化学式センサの自社開発による取り組みを同業他社に先駆けて開始。市場では低濃度ガス検出に優れている半導体式ガスセンサのニーズが強かったものの、次代への可能性を探るべく研究開発を推進したのである。

電気化学式ガスセンサ「TGS5041」

2004年以降、アメリカ各州ではCO検知警報器の設置条例が施行されることになり、当社のTGS2442の輸出が急増。続いて2006年には電気化学式ガスセンサTGS5041を開発、そして後継のガスセンサとなるTGS5042を市場に投入し、当社の開発力と技術力によりトップレベルの市場シェアという揺るぎない実績を築くことになる。

未来へ

ガスセンサ生産力トップレベル、そして未来へ。

フィガロ技研は、厚膜印刷を応用した生産方式の確立や天津フィガロの弾力的な拡張により、ガスセンサ生産能力で世界トップレベルという誇りを手に入れることができた。しかし、この生産能力を落とすことなく、圧倒的な世界企業になるまでは多くの課題も残されている。その課題のひとつがガスセンサの応用技術で、当社が開発したガスクロマトグラフィーの多方面への展開、もっと快適で住みやすい社会環境づくりへの応用、人体から出るガスや臭気を計測して健康や医療に役立てるなど、ガスセンサには大きな可能性がある。
また、改正消防法など安全に関する法整備によって市場が大きく動くことも考えられ、当社の安心・安全への貢献という理念が実践される日が近いことも予想される。そんな素晴らしい未来を手に入れるため2020年に向け、フィガロ技研ではFGD2020という理念を掲げ、すべてのステークホルダーと幸福を共有すべく、新しい企業価値の創造と研究開発を続けている。