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ガスに関する基礎知識

冷媒ガス

冷媒ガスの代表的なものとしてはフロンガスが挙げられます。フロンとは一般的にフルオロカーボン(炭素とフッ素の化合物)のことを言い、冷蔵庫やエアコンの冷媒として開発されました。フロンには化学構造や組成の違いから、CFC, HFC 等多くの種類があります。

フロン以外の冷媒ガスには、アンモニア、CO2、プロパンなどがあります。

■ 冷媒の種類と特性

種類 冷媒番号 組成 地球温暖化
係数(GWP)
毒性・燃焼
クラス
CFC R-12 CCl2F2 10,900 A1
R-11 CCl3F 4,750 A1
R-502 HCFC-22/CFC-115 4,520 A1
HCFC R-22 CHClF2 1,810 A1
R-123 CHCl2CF3 77 B1
HFC R-401a HFC-32/125 2,090 A1
R-407c HFC-32/125/134a 1,770 A1
R-134a CH2FCF3 1,430 A1
R-32 CH2F2 675 A2L
R-454b HFC-32/HFO-1234yf 466 A2L
R-152a CH3CHF2 124 A2
HFO R-1234yf CH2=CFCF3 1 A2L
HCを含む
自然冷媒
R-290 C3H8(プロパン) 10 A3
R-600a CH(CH3)3 (イソブタン) 4 A3
R-1270 C3H6(プロピレン) 3 A3
R-744 CO2(二酸化炭素) 1 A1
R-717 NH3 (アンモニア) <1 B1

【冷媒番号(ASHRAE番号)とは】

冷媒番号とは冷媒の種類を表す番号で、ISO817(国際標準化機構)により以下の通りに定められています。

R Refrigerant(冷媒)の頭文字
千の位 不飽和炭化水素に対する炭素間の2重結合の数
百の位 炭素原子の数-1
十の位 水素原子の数+1
一の位 フッ素原子の数
添え字 構造異性体または混合物の組成を区別するためのもの

【地球温暖化係数】

地球温暖化係数(GWP) - 温室効果ガスの温暖化影響の強さについて、二酸化炭素を1.0とした場合の相対値として表した係数

【毒性・燃焼クラス一覧】

毒性・燃焼クラス一覧
参照:一般社団法人日本冷凍空調工業会 「微燃性(A2L)冷媒を使用したチラーの冷媒漏えい時の安全のため施設ガイドラインJRA GL-15:2016R」

■ 地球環境への影響と国際的な動向

かつて使用されていた特定フロンはオゾン層破壊の問題があり、その影響が大きいCFCやハロンは先進国では1996年に使用禁止となりました。比較的影響が小さいHCFC も一部を除き2020年に全廃することが決まっています。そして、それらの代替として現在普及している代替フロンは、不燃性のHFC冷媒ガス(A1)ですが、地球温暖化をもたらす温室効果ガスであることが明らかになりました。その後、GWPの小さいHFCやHFO微燃性冷媒ガス(A2L)への切り替えが進められており、近年では、GWPがさらに小さいHC冷媒ガス(A3)や自然冷媒の使用が検討されています。

■ 日本国内の動向

【法規制について】

日本国内では、ウイーン条約やモントリオール議定書に基づく特定フロンの生産量・消費量の削減を履行するため、1988年に【オゾン層保護法】が制定されました。これにより、1996年までに15種類の特定フロンが全廃されました。

また、それまで使用されていた特定フロンを回収・無害化するために【フロン回収・破壊法】や【家電リサイクル法】などの諸法律が制定され、フロンを含む製品の廃棄時におけるフロンの回収・破壊処理の実施が義務付けられました。

しかし、地球温暖化をもたらす温室効果ガスであるHFC冷媒の使用量の急増、冷媒回収率の低迷、機器使用中の漏えいなどの問題について、技術の進展や世界的な規制動向といったフロンを取り巻く状況の変化を踏まえた対応が必要となり、2013年にフロン破壊・回収法は【フロン排出抑制法】へと法改正されました。フロンの製造から廃棄までのライフサイクル全体にわたる対策が取られるようになっています。

その後、2016年のモントリオール議定書の改正(キガリ改正)を受け、日本では2018年に【オゾン層保護法】が改正され、代替フロンの製造及び輸入を規制する等の措置を講じることになりました。国全体の代替フロンの生産量、消費量それぞれの限度を段階的に切り下げ、2036年には基準値(2011~2013年実績の平均値)から85%まで削減した水準を要求されています。

【関連業界の動向】

このような状況の中で、日本国内では代替フロンの中でもよりGWPの小さい微燃性冷媒ガス(A2L)への転換が進んでおります。

2017年時点において、家庭用エアコン(RAC)の使用冷媒は、R-410からR-32にほぼ切り替わっています。

業務用エアコン(PAC)についてもR-32への転換が進んでおりますが、ビル用マルチエアコン(VRF)の冷媒転換は進んでおらず、今後大きなポイントとなります。冷凍・冷蔵ショーケース、コンデンシングユニットでは、GWPが更に小さいHC冷媒ガス(A3)や自然冷媒(CO2)の採用も出てきております。

家庭用エアコンのA2L搭載機種の割合は日本はほぼ100%ですが、世界的な冷媒切換はこれからとなります。

日本冷凍空調工業会において、A2L 冷媒を用いた冷凍空調機器を安全に運用するため、2016年に【JRA4068:2016_冷凍空調機器に関する冷媒漏えい検知警報器要求事項】が制定され、冷媒漏洩検知用ガスセンサのニーズが高まっております。